あらすじ
懸命に、真面目に働けば、自由になれる。
奴隷の子供として生まれたヴォイチェクは、幼いころ、そう教えられながら成長した。
いつか身分を買い戻し、真っ当な生活ができるようになると。
それは、嘘だった。
不意にあらわれた傭兵崩れたち。
彼らによってヴォイチェクが暮らしていた村は略奪され、両親も、その所有者であった地主も、皆、死んだ。
数多くの種族と魔種族が混在し、魔法が実在するラータ大陸は、戦乱の時代。
力を持つ者こそが正義。
穏やかに、誠実に。
善良に生きようとする人々は、武器を突きつけられ、虐げられるしかなかった。
生き残ったヴォイチェクはそんな世の中を憎んだが、結局は自らも傭兵となっていた。
元奴隷、よるべきものなど何もない彼には、他に生きていく術がなかったからだ。
今、彼は、農具ではなく両親の命を奪った忌むべき武器を振るい、戦いの中で命をつないでいる。
その行く末にあるのは、———破滅か。
それとも、栄達か。
底辺傭兵・ヴォイチェクの物語が始まる。