あらすじ
僕は名前も首輪も持たず、
「ペットになりたい」という欲だけを抱えたまま、
僕は自分の居場所を探して彷徨っていた。
選ぶ自由はあった。
考える力も、拒む理由も、ちゃんと残っていた。
それでも――
選び続けることそのものに、少し疲れてしまっただけだった。
出会ったのは、静かな目をしたセラピストの彼女。
彼女は最初からすべてを見抜いたように、こう告げる。
「褒美をやるから、集え」
それは命令でありながら、拒絶しない声。
跪くことを“選んだ”僕に、
彼女は見下ろしながらも、決して見失わない距離を保つ。
命令され、従い、褒められる。
支配でも、放棄でもない関係の中で、
僕は初めて
自分に意味を与えられる安心を知る。
首輪はない。
それでもここは、
選び疲れた僕が戻ってくる、たったひとつの許される居場所。