あらすじ
経営者として、常に判断し続ける僕。
強さを求められ、迷いを見せることは許されない日常。
ひとつだけ、何も決めなくていい部屋がある。
施術室で彼女は、触れる前に待つ。
視線と呼吸だけで距離を詰め、
言葉は最小限
それなのに、逃げ場はない。
「力、抜いて」
その一言で、
背負ってきた責任が、音もなくほどけていく。
支配ではない。
ただ、身を預ける感覚が、
深く、確かに身体を満たしていく。
触れられるたび、
自分が“選ばれている側”であることを思い出す。
名前も肩書きも外したまま、
僕は静かに、彼女の時間の中に深く沈んでいく。
終わりの気配すら、やさしく。
「まだ、ここにいよう」
胸の奥に彼女の熱を残す。
それだけで、また世界に戻れる。