あらすじ

『問題として認識されませんでした』 それは、何も起きなかったという記録です。 誰も困っておらず、 誰も抗議しておらず、 誰も間違っていません。 本作は、 「正しく機能しています」 で描かれた世界線の中に存在する 「問い合わせ窓口」の記録を集めたスピンオフ作品です。 そこに寄せられるのは、 怒りや要求ではありません。 「困っているわけではありません」 「問題ではないと理解しています」 そう前置きされた、 ごく静かな“確認”だけです。 選択肢が表示されなかった理由。 以前はできていたはずの操作。 誰の判断だったのかという問い。 それらはすべて、 丁寧に説明され、 適切に分類され、 問題としては認識されないまま 処理されていきます。 この世界では、 不満はほとんど発生しません。 要望も、次第に姿を消します。 確認だけが残り、 やがてその確認すら不要になります。 誰かに支配されているわけではない。 誰かが騙しているわけでもない。 ただ、社会は正しく機能している。 それでも読者だけが、 「これは本当に問題ではなかったのか」と 問いを手放せなくなる。 問題が解決される物語ではありません。 問題が“問題にならなくなる”過程を記録した物語です。 「正しく機能しています」を読んだ方にこそ、 その世界が どのようにして沈黙へ辿り着いたのかを、 確かめてほしい一作です。

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小説を読もう2025/12/27
  • 現在の作品問題として認識されませんでした