あらすじ
「翻訳しかできない無能は、ここでお別れだ」
聖剣の勇者シグルドにそう告げられ、レトは『神の塔』の深層に置き去りにされた。 魔物と交渉することも、強力な魔法を操ることもできない地味スキル【翻訳】。 勇者パーティにとって、レトはもはや使い古された「鍵」に過ぎなかった。
絶望に打ちひしがれ、死を待つレト。 だが、暗闇の中で触れた「世界の欠片」が、彼の運命を激変させる。
『――世界ログの翻訳(デコード)に成功しました』 『スキル【翻訳】の権限を拡張します……「世界定義言語」へのアクセスを許可』
目覚めたのは、この世界のルールそのものを読み解き、書き換える権限。 レトの目には、あらゆる事象が「書き換え可能なコード」として映り始めた。
不治の病は、ただの「システムエラー」。 最強の魔物は、ただの「バグ個体」。 そして勇者の振るう聖剣さえも、レトにとっては「ただの棒きれ」に翻訳可能だった。
これは、無能と蔑まれた青年が、管理インターフェースの少女・アイリスと共に、世界のバグを「デバッグ」しながら成り上がる物語。
――神が遺したこの世界、俺の都合のいいように「翻訳」させてもらう。