あらすじ
社会は犯罪者を更生させると信じている。
だからこそ、彼らは「社会適応支援センター」と呼ばれる施設に送られた。鉄格子の向こうで、番号で呼ばれる日々。
教官はサングラス越しに淡々と告げる。「君たちは悪だ。変わらない。
黒は白にならない。
それでいい。」「重要なのは、捕まらないことだ。」施設で磨かれるのは、犯罪の技術ではない。
小さな違和感を撒き、
誰にも気づかれない距離感。
介入される前に引く、冷徹な感覚。優秀な者たちは、静かに街へ放たれる。
事件は起きない。
通報もない。
ただ、世界は少しずつ、味が変わっていく。捕まらない悪は、存在しないのと同じ――
それが、この施設の教えだった。