あらすじ
これは遠回りな自己愛と自己理解の物語
ピアニストの夢を諦め音楽の教師をしている苗木琴乃《なえぎことの》は悩みを抱えていた。
その悩みは同じ桜彩学園中等部の仕事の同僚である比山明里《ひやまあかり》に恋心を抱いており、押し殺していること。
同性愛を表に出せない彼女は生徒の恋愛相談も、身近な恋愛も、眩しくて手を伸ばすことができない。
そんなある日、知らない女性にキスをされて目覚めた。
「並行世界から来たって言ったら信じる?」
キスをした彼女は琴乃の昔に諦めたプロピアニストの夢を叶えた自分だった。
夢を諦めなかった世界からやってきた並行世界の苗木琴乃(ピアニストとしての名前は音木唯乃《おとぎゆいの》)は過去の苦しみを全て克服していた。
「区別するために唯乃って呼んで」
並行世界から来たという唯乃は、どんなに挫折のタイミングが来てもピアニストになることを諦めず、同性愛についても悩まず前に進んで解決した世界の人間。
そんな世界線から来た彼女によって応援されて、琴乃は自分の恋心と向き合うことに……。
「あなたはいいよね。願いが叶ってるんだから」
そんな羨望を抱えながらも琴乃は、自分を愛してくれる唯乃と向き合っていく。