あらすじ

自分に人間の友達がいないのは狐守の家系だからだと、筒井数(つつい・かず)は思っている。 今日も今日とて、いつの間にか水筒から逃げ出していたオコジョのようなキツネ――キューちゃんを探して、学校中を駆け回る日々だ。1年5組の変人。周りからは、そう揶揄されて嗤われてもいる。在里颯真(ありさと・そうま)という、別クラスの爽やかイケメンを除いて。 世界的にも有名な観光地である岡山県倉敷美観地区の古民家カフェ「狐し庵(こしあん)」でアルバイトをしていることにも、狐守という事情が絡む。ここの従業員は、全員もれなく人の姿になれる不思議なキツネたちだ。特殊な境遇に不満を抱えている数だが、彼らと過ごす滑稽な日常を、なんだかんだ楽しんでいる自分がいることも知っている。 そんなある日、狐の父と人間の母をもつ少女ユキが「おかあさんのにおいがする!」とキューちゃんに飛びついたから、さあ大変! なぜ百年以上も前に亡くなっているはずのユキの母親に、キューちゃんが関係してくるのか。混乱する数だったが、母親に会いたいという願いをどうしても口に出せないユキを見て、思わず、今までの人生で一度もしたことがない提案をしてしまう。 「あした、デートするぞ」 ユキと母親の接触を全力で阻もうとする父親――天狐のシキの不在期間は、わずか2日! その間に、数とユキと、ついでにキューちゃんは、ユキの母親を探し出すことができるのか!? ほのぼのコミカルでコメデイな日常に、シリアスと切なさと、なんちゃって異能力バトルを添えて、青く、熱く、お届けします。 人とキツネの一心不乱な想いの果てを、どうか最後まで見届けてあげてください。

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エブリスタ
エブリスタ2020/11/28
  • 現在の作品おこもり奇譚