あらすじ
山奥で祖父母と暮らしていた少年は、ある日ひとり旅に出る。
剣の腕も魔力も人並み以上――それでも本人は「鍛えられただけ」「運がいいだけ」だと思っていた。
道中、魔獣に襲われることはなく、精霊はなぜか懐き、
危険な場面でも不思議と事態は穏やかに収まっていく。
「生き物に好かれやすい体質なんだろ」
少年はそう軽く受け流すが、
周囲では少しずつ“おかしなこと”が起き始めていた。
彼が通った土地では災いが止み、
彼がいない場所では理由の分からない不調が起きる。
まるで世界が、何かを調整しているかのように。
一方で、どこか遠く――
世界に拒まれ、運命が常に最悪へ転ぶ存在もまた、
同じ世界を歩いていた。
世界は、優しいだけではない。
好かれすぎる魂と、嫌われすぎる魂。
その間にある“均衡”は、誰によって、どのように保たれているのか。
これは、
守られていることに気づかない少年が、世界を旅する物語である。
※小説家になろうさんでも掲載しております。