あらすじ

(冒頭) 「ルール」は誰のために存在するのか。この問いは一見すると道徳的で、あるいは政治的な問いに見える。しかし実際には、それはもっと冷徹で、生存に直結した問いである。 ルールは善人のためにある。同時に、悪人のためにもある。これは矛盾ではない。善なる者が作り出した秩序は、善人だけでなく、悪人をも包み込んでしまう構造を持っているからだ。悪人であっても、ルールのある社会の方が生きやすい。ルールが存在することで、暴力は抑制され、裏切りには代償が生まれ、予測可能性が確保される。悪人は善を尊敬してルールを守るわけではない。ルールが存在した方が、自分にとって都合が良いから守るのである。 もしルールが存在しなければどうなるか。善人は傷つき、悪人同士は互いを疑い、やがて潰し合う。そこには安定も継続もない。暴力は連鎖し、裏切りは無限に増殖し、社会は一気に崩壊へ向かう。つまり、ルールとは善人のための理想装置ではなく、社会全体が壊れないための最低条件なのである。

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カクヨム
カクヨム2026/01/05
  • 現在の作品【善と悪】「善」とは持続であり、「悪」とは自滅である