あらすじ
西暦2126年。少年ケンジは脳内チップのAI「ティーチャー」と共に、
夏休みの自由研究を仕上げていた。
テーマは『かつて地図から消滅した国・日本』。
AIが提示した滅亡の真相は、
思考停止した国民が自ら「独裁者」というバグを招き入れ、
暴走させたという滑稽な記録だった。
「昔の人は低スペックだね」と過去を嘲笑うケンジに対し、
AIは静かに『蜘蛛の糸』の真実を語り始める。
「彼らは救いの糸だと思って、自ら捕食者の口へと昇っていったのです」
レポートを書き終えたその時、部屋に『総統閣下』の演説が流れ始める。
過去の愚かさを笑っていた少年は、果たして「今」をどう生きているのか?
鮮やかな皮肉で描く、近未来ディストピア・ショートショート。