あらすじ
内容紹介(あらすじ)
「……本当は、婚約破棄なんてしたくないんだ」
そう言って泣きながら婚約破棄を告げてきたのは、
王太子アークトゥルス・ボオーテス。
――けれど、
捨てられたのは本当に私なのでしょうか?
婚約破棄の理由は、国家方針。
「王太子は聖女と婚約すべきだ」という周囲の声に押し切られただけ。
自分で跳ね返す意思もなく、ただ泣いて従っただけの決断でした。
シグナス侯爵令嬢デネブは、静かに告げます。
「強要をはね返せない方との婚約を、続けるつもりはありません」
「了承します。――婚約破棄を」
取り乱す王太子。
尽くすことで男をダメにする“世話焼き聖女”ミラ。
そして、誰かの代わりになることを拒んだデネブ。
婚約破棄をきっかけに、
王宮では「誰かに決めてもらう政治」が静かに崩れ始めます。
怒号も断罪もない。
あるのはただ、
理由を問われ、自分の言葉を持てない者が、居場所を失っていく現実。
王太子は自分で決断する王へと成長し、
デネブは王宮の外で、自分の立場を築いていく。
これは、
誰かを叩き落とす“ざまぁ”ではありません。
依存と強要の関係が、静かに終わる物語。
そして、
捨てられたはずの令嬢が、
実は一番自由になっていた物語です。
――