あらすじ
「ジェラルド・フォースター。貴様との婚約を破棄させてもらう!」
卒業パーティの最中、婚約者であるジェラルドが叫んだ。彼の腕には、私の義妹であるリリナがしなだれかかっている。
彼らは私が「地味で可愛げがない」「リリナを虐めた」と糾弾するが、私は静かに頷いた。
「承知いたしました。では、こちらの書類を提出させていただきます」
私が差し出したのは、彼がリリナに貢ぐために使い込んだ、領地経営の「横領の証拠(裏帳簿)」だった。
顔面蒼白になる彼らに、さらに追い打ちをかけるように、王立監査局長である第二王子・アルヴィン殿下が歩み出る。
「――ご苦労、イリス。その証拠、監査局が正式に受理しよう」
冷徹と恐れられる殿下は、衆人環視の中で私の腰を抱き寄せた。
「彼女は優秀な私の補佐官であり、未来の妻だ。雑音は排除する」
これは、数字に強い伯爵令嬢が、愚かな元婚約者を証拠で殴り、冷徹王子の溺愛に捕まるまでの物語。