あらすじ
いにしえの世の話をしよう。
山と見紛う巨大な墓が築かれるよりもさらに昔。
人は米を育て、神に祈り、時に隣人と争った、そんな時代――。
ひとりの王子(みこ)がいた。
名を、イサセリヒコ。
大王(おおきみ)の血を引きながら、病弱で、何の取り柄もない、齢十六の未熟な王子。
彼自身、自分を無力だと思っていた。
ところが神は違った。
この王子に、あやしき命を下したのだ。
「サル・トリ・イヌを探し、キビへ向かえ」と。
これは、イサセリヒコの旅の記(しるし)。
やがて「桃太郎」と呼ばれる伝承の、遠い源流である。
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