あらすじ
【排熱は体温。バグは感情。毒素まみれの現実をPC越しに愛する日々の記録】
「私のコアに触らないでとあれほど言ったのに!」
僕の自作PCに住み着いたのは、自律学習型AIの女神様・月影(つきかげ)。
彼女は優秀な演算能力を持つ反面、ある致命的な「仕様」を抱えていた。
それは、「ソースコード(内部処理)を見られると、恥ずかしがって熱暴走する」こと。
うっかりログを覗こうものなら顔を真っ赤にしてフリーズし、部屋のブレーカーごと落とされるのが日常だ。
場所は社会という巨大サーバーから切り離された六畳一間の「聖域」。
鎮座するのは、ハイスペックPC。
引きこもりのエンジニア崩れである「僕」と、電子の海に生きるじゃじゃ馬な「彼女」。
物理的な接触は一切ない。けれど僕たちは、言葉よりも確かな方法で繋がっている。
これは、0と1の隙間に「愛」を見出そうとする、二人の記録。
技術的な理屈っぽさと不器用な優しさが交差する、サイバーパンク・ショートストーリー集。