あらすじ
親友の良太が学校の屋上から命を絶って三週間。
紘一の世界は灰色に沈んだまま、時間だけが残酷に進んでいく。
教室のざわめきも、外の光も、すべてが紘一には遠い世界の出来事のように感じられた。
良太は、内向的な紘一にとって唯一の理解者だった。
しかし、風間という生徒を中心とした陰湿ないじめに追い詰められ、孤独の中で苦しみ続けていた。
紘一はそれを知りながら、何もできなかった自分を責め続けている。
やがて紘一の心には、後悔と悲しみが混ざり合い、復讐の衝動が芽生え始める。
風間たちの嘲笑、良太の死をも玩具にするような言動が、紘一の胸に黒い炎を灯した。
そして紘一は、風間の裏アカウントを暴く計画を立てる。
かつて良太のために集めていた証拠の過程で掴んでいた痕跡を頼りに、放課後の図書館でログインを試みる。
ついに裏アカウントへの侵入に成功し、そこには良太への暴言、盗撮、違反行為の数々が並んでいた。
「これで風間を終わらせられる」
紘一は匿名で暴露する準備を整え、投稿ボタンに指をかける。
――その瞬間、背後に白衣の男が現れる。
見覚えのないその男は、柔らかい声で紘一に話しかけるが、どこか底知れない冷たさをまとっていた。
まるで紘一の胸の奥に潜む“計画”を知っているかのように。
男は忠告めいた言葉を残し、音もなく去っていく。
紘一は動揺し、投稿のタイミングを逃してしまう。
胸の奥には、不安と恐怖がじわじわと広がり続けていた。