あらすじ
戦後日本は、果たして「終わった」のか――。
東京大学大学院を修了した元科学者・鷹宮恒一は、
戦後民主主義とグローバル秩序に強い違和感を抱きながら、
表向きは技術コンサルタントとして静かな生活を送っている。
しかしその裏で、彼は同じ思想を共有する仲間たちとともに、
国家・歴史・安全保障をめぐるある極秘の計画に関わっていた。
その活動は、個人の狂信とも、愛国的行動とも、
あるいは国家防衛の“裏の選択肢”とも解釈できる、
きわめて曖昧な領域に存在している。
一方、国際的な不可解な事故や、
国内で相次ぐ情報の消失を追う若い女性記者は、
点と点がつながらないまま、
「国家が決して表に出さない意思」の存在に気づき始める。
資金はどこから来るのか。
誰が彼を守り、誰が彼を見捨てるのか。
そして――
この国は、本当に彼を止めたいのか。
『神国プロトコル』は、
一人の過激な思想家の物語であると同時に、
企業、政治、世論、治安、そして「空気」が
どのようにして危険な存在を生み出し、利用し、切り捨てるのかを描く
現代日本を舞台にした長編サスペンスミステリーである。
読者はやがて問われることになる。
――怪物は、どこで生まれたのか。
――そして、自分はその誕生に無関係だったのか。