あらすじ
公爵家の嫡男として何不自由なく生きてきた――はずだった。
八歳のある日、転んで頭を石にぶつけた瞬間、俺は“前世”を思い出す。
熱にうなされる寝台の上。
聞こえてきたのは、王都を揺るがす吉報――「王女殿下の婚約者が決まった」。
そして告げられた名前は、よりにもよって俺。
その瞬間、背筋が凍った。
そして俺は、主人公と攻略対象たちの恋路を邪魔し、最後には必ず破滅する――“悪役令息”その人だったのだ。
しかもルートが酷い。
主人公がハッピーエンドに辿り着けば、俺は身一つで国外追放。
主人公がバッドエンドになれば、攻略対象に刺されて死亡。
……待て待て待て。
俺のエンド、どっちも地獄しかないんだが!?
ハッピーが「追放」で、バッドが「殺害」って、これ“バッドオンリー”じゃねえか!
だったら、やることは一つ。
悪役ムーブをやめる? 甘い。そんな程度じゃ運命は変わらない。
王女の婚約者という“確定イベント”を抱えたまま、恋愛フラグも殺害フラグも、根こそぎ折る。
目標はただ一つ――
追放も死亡も回避して、静かで穏やかな老後を迎えること!
八歳の悪役令息が、破滅シナリオに全力で抗う生存戦略。
これは、恋愛ゲーム世界で「恋」を避け、「死」を避け、「平穏」を勝ち取る物語。