あらすじ
混乱と混沌の時代を経て突入した世界戦争が終わり、様々な不都合と不幸が重なり、地球の大気は毒を持つようになった。
外を歩くにはガスマスクが手放せず、人類は空調チェンバーを経由してしか侵入出来ない、完全密閉された超高層建造物に住むしか生きる道が無い。所得格差がより激しく明確になり、低所得層が貧困生活から抜け出すには犯罪を犯すか、勉学で身を立てるか、才能を活かすかしか選択肢は無い。世界的な平均寿命も蝕まれていく世界で、最早人類は未来に希望を見出せずにいた。
そんな時、研究機関が革新的な研究を開始。人体実験にも近いそれは、しかし人類最後の希望のよすがとなる。しかし、自然主義のテロリストグループ『渚』は、そんな自然への反発や反旗を認めなかった。過激派だった『渚』の活動は、一層激化する。
そんな未来の無い世界で、長谷川秋穂はマスクの下に本音の全てを隠す。自分が攻撃されないように。けれど、そんな自分を殺した生き方を苦痛に感じていた。
だからこそ、大川美里の様に自由に生きる少女に憧れていたのだが……
未来の無い世界で、人はどう生き、何を選ぶのか。
人の生き方を問う、SFスリラー群像劇。