あらすじ
尾道本通り商店街。
放課後の何気ない日常の中で、三人の少女の時間は、ゆっくりと動き始める。
藤井遥、平原沙月、相沢美海。
最初からバイクに詳しかったわけでも、「しまなみブルー」を名乗るつもりだったわけでもない。
ただ、一本の原付二種動画との出会いが、彼女たちの心に小さな風を吹き込んだ。
限定解除、はじめてのクラッチ操作。
中古バイクとの運命的な出会い。
納車の日、そしてはじめて走る公道。
向島の地元道、尾道渡船、高見山展望台。
瀬戸内の穏やかな風景の中で、三人は少しずつ「走る理由」を見つけていく。
そして――
遥の胸の奥には、幼い頃から消えずに残っている記憶があった。
夕暮れの商店街で出会った、紫のバイクに乗る、優しい“お姉さん”。
まだこの時、
彼女たちは知らない。
その記憶が、やがて“しまなみの魔女”と呼ばれる存在と繋がり、自分たちの物語を大きく動かしていくことを。
これは、伝説が生まれる前の物語。
風が吹く前の、尾道女子ライダーズの、静かな始まりの記録。
※不定期連載なのでその辺はご了承願います。