あらすじ
標高二千メートルの「静寂の峰」で孤独に暮らす魔女エルナは、ある夜、空から落ちてきた銀色の幼い龍を拾う。
星を喰らい天を浄化する聖獣『星龍』。その幼生は、魔女の「魔力」ではなく、彼女が注ぐ「慈しみ」を糧に成長する不思議な存在だった。
エルナは彼に「ノア」と名付け、懸命に育てる。やがてノアは、少年の姿へと変わり、エルナにとってかけがえのない家族となっていく。しかし、星龍が成体となり空へ帰る時、育て親は彼に関する「すべての記憶」を失うという残酷な伝承があった。
迫りくる別れの時と、山を襲う不浄の闇。 愛する者のために、孤独だった魔女が下した最後の決断とは――。