あらすじ

八洲(やしま)を東西に分断した天変地異『星堕ち』から400年。 大地を穿った巨大なクレーター『天極(てんごく)の虚(うろ)』から溢れ出す魔素(エーテル)は、生きとし生ける物を異形へと変えた。 ――その名は『妖異(ようい)』。 それは、かつての妖怪の姿を模した、血肉通う捕食者たち。 人の世は、たちまち人外の跋扈する魔境と成り果てた。 だが、地獄は平等ではなかった。 唯一の正統政府たる北辰幕府は、西の地を『天昌浄土(てんしょうじょうど)』として城壁で囲い、東の地を『東夷(とうい)』と呼び捨てて、穢れと妖異の掃き溜めとしたのである。 そんな見捨てられた東の荒野に、一人の男がいた。 穂村アキラ。 かつて西の政変『穂村崩し』により故郷を追われ、泥の中で牙を研いできた賞金稼ぎ。 その腰には、対妖異唯一の武器『北辰鋼』の刀。 ――しかし、異形。柄頭には黄金の仏が逆さまに打ち付けられ、抜けば泥を見る。 ある日、彼は人買いの檻から「猫の生成り」の少女を拾う。 その出会いが、男を巨大な陰謀へと引きずり込む。 幕府が東夷の陰で行っていた、国外戦争へ向けた「人造生成り兵器」の製造実験。 それは、東の民を資源としか見ない、西の傲慢そのものだった。 「神も仏もここにはいねえ。だから俺が斬るんだよ」 己の因縁と、少女の自由。 全てを守るため、無頼の妖斬りは、東の底から西の頂へと刃を向ける。 これは、腐った世界を切り裂く物語。 人は彼を畏怖を込めてこう呼んだ。――『逆さ仏の穂村』と。

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カクヨム
カクヨム2026/01/04
  • 現在の作品東夷無頼・逆さ仏