あらすじ
原因不明の感染症が街を覆った。
噛まれ、引っかかれ、ほんの小さな傷から――人は“狐”へと変わっていく。
大学研究員・中村祐介は、かつて自らの研究によって
人化キツネ「ヤコ」を生み出した過去を持つ。
今は予算も注目も失い、小さな研究室で細々と研究を続ける日々。
そんな中、街で起こり始めた“キツネ化パンデミック”。
理性を失う者、恐怖から暴徒と化す人々、
そして感染者を排除しようとする社会。
祐介はヤコと共に、
この病を治す薬《YAKOU》の開発に挑む。
それは、科学と信仰、理性と本能、
そして「人であること」を問い直す戦いだった。
狐になる病が蔓延する街で、
それでも守りたい日常と、大切な存在がある。
――これは、白衣の研究者と、
和傘を携えた稲荷の少女が紡ぐ、
終末と再生の物語。