あらすじ
この物語は、後に起こる悲劇。
それが起きる前の物語。
結婚を控えたハーフエルフのシエルのもとを、一人の老魔導士デルバーが訪ねてきた。
その手に、一冊の日記を携えて――。
デルバーは言う。
そこに記されているのは、かつて魔術師エルツが“父であったころ”の、家族と過ごした穏やかな日々。
幸福しか書かれていない記録だと――。
日記を受け取ったシエルは、その背にかけられた問いに、ただ「もちろん」と答え、部屋の奥へと消えていく。
これは、失われた家族の物語。
それでもなお“居場所”を見つけ、“その願い”を受け取ったシエルの誕生物語。