あらすじ
送迎バスのない幼稚園。
朝は地獄のような混乱、泣き叫ぶ園児、疲れ切った保育士たち。
新しく採用された主人公は、慣れない環境に追われながらも、どこかこの園に漂う“異質さ”に気づき始める。
なぜこの園にはバスがないのか。
なぜ同僚たちは、あの事故の話題になると急に口を閉ざすのか。
そして―—園庭の奥に広がる雑木林から漂う、生臭い甘い匂い。
裏手で見つけた古い供養塔。
図書館で知った、昭和の“生き埋め事件”。
さらに、数年前にこの土地で起きた火事と、引き取り手のなかった夫婦の遺体。
点と点がつながるたび、何かがざわりと蠢き始める。
そんな中、ただ一人手のかからない園児・Aくんだけが、
主人公が叱るたび、まばたきもせずにこちらを見つめていた。
夏休み前、園を辞めることを決めた主人公。
ようやくこの場所から離れられる…はずだった。