あらすじ
社内システムのサポート担当として働く私は、今日も内線電話の前に座っている。
「ログインできない」
それだけを頼りに始まる会話は、主語も目的語も失われ、何度説明しても前に進まない。
赤い画面。
白い画面。
英語のメッセージ。
分からないと言われ、分からないまま、時間だけが過ぎていく。
サポートする側の人間は、どこまで相手の「分からない」に付き合えばいいのか。
仕事が終わり、家に帰っても、私は同じ言葉を耳にすることになる。
これは、「分からない」と言う人たちと、それを受け止め続ける人間の、とても静かな一日の記録。