あらすじ
「その粘り気は、邪悪な呪いか、至高の美食か。」 納豆を愛しすぎた元OLが、剣と魔法の世界で巻き起こす、ネバネバ発酵ファンタジー!
東京で働く納豆大好きOLの「私」は、ある日突然、異世界の森で目を覚ます。鏡に映っていたのは、透き通るような肌と長い耳を持つ美しきエルフの少女。しかし、記憶喪失のエルフの身体に入り込んだ彼女を待っていたのは、冒険ではなく「奴隷」としての過酷な現実だった。
巨大農園「グランヴェル農園」に買われた彼女は、知識と魔法の才能を買われ、屋敷内での仕事と子供たちの家庭教師を任されることになる。過酷な労働を強いられる他の奴隷たちとは違う「特別な待遇」。しかし、彼女の心は満たされなかった。なぜなら、この世界には「納豆」がないからだ。
「ないなら、作ればいいじゃない」
彼女は前世の記憶とオタク知識、そして生活魔法を駆使し、秘密裏に納豆作りを開始する。農園にある「稲藁」から納豆菌を採取し、商隊から手に入れた「ディーズ豆(大豆)」を発酵させる日々。ついに完成した黄金色の豆。糸引く粘り。部屋に充満する芳醇な(人によっては強烈な)香り。歓喜に震える彼女は、恩人である女主人・エリザベスにその自信作を披露するのだが……。
——『邪悪な精霊が宿りし豆は、腐臭を放ち、魔の糸を引く』
彼女にとっての「至高の美食」は、異世界の人々にとって「恐怖の対象」だった!?文化の違いとアンモニア臭の壁を乗り越え、彼女はいつか「熱々の納豆オン・ザ・ライス」を実現できるのか。納豆への異常な執着だけで生き抜く、エルフ・ナタリーの挑戦が始まる。