あらすじ
空に「黒い星」が浮かび、魔王の復活が告げられたあの日。平民の槍使いグレンの平穏な日常は終わりを告げた。
「君の技術が必要だ」
国の希望にして最強の天才、勇者アルヴィン。彼に指名され、旅に連れ出されたことは、凡人にとって死刑宣告に等しかった。 勇者の振るう聖剣は一撃で万軍を薙ぎ払い、グレンが泥水をすすって積み上げた二十年の鍛錬を、あくび一つで凌駕する。隣にいるのは、勇者を崇拝し他を見下す毒舌聖女と、やる気のない魔女。
圧倒的な「才能」という暴力の隣で、己の無力さを噛み締めながら歩く日々。これは、輝かしい英雄譚の影で、鉄屑の槍を握り続ける男の物語。