あらすじ

東京の地下に広がる階層型迷宮。 この世界では、探索者の価値は「実力」ではなく「数字」で決まる。 配信の同時接続数、投げ銭、視聴者の熱狂── それらが市民権ランクを左右し、住む場所も、受けられる医療も、人として扱われるかどうかすら決定する。 不遇職【記録官】の烏丸灰都は、そんな社会の最底辺《G-7》に属していた。 彼の仕事は戦うことではない。 勇者や英雄の戦いを記録し、配信するだけの“脇役”。 明日死んでも、誰にも気づかれない存在だった。 ある日、新宿迷宮三層で、所属していた勇者パーティーは壊滅する。 仲間に囮として切り捨てられ、死を待つだけの状況で、 烏丸は“禁止スキル”に触れてしまう。 【事象再演】── 過去に記録した英雄の戦いを、自らの肉体で再現する能力。 ただしその代償は、英雄が死の間際に味わった激痛を、そのまま引き受けること。 血を吐き、骨を砕きながら放った一太刀は、怪物を討ち果たし、 同時に世界を熱狂させた。 「今の……撮れてた?」 その一言から、配信の数字は跳ね上がり、 烏丸の市民権ランクは“人間扱いされる側”へと書き換えられていく。 これは、承認が魔力となり、人権になる世界で、 一人の記録官が“見られる側”になる物語。 英雄譚ではない。 生き残るための、命がけの配信記録だ。

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カクヨム
カクヨム2026/01/04
  • 現在の作品『異層階級の最底辺――不遇職【記録官】の僕が、世界を熱狂させるまで』