あらすじ

聖剣ヴァレンダールは創造神によって鍛え上げられた至宝であり、剣の姿と人の姿を自由に切り替え、莫大な魔力を宿していた。その使命はただ一つ――勇者と共に災厄級の魔獣を討ち、世界を救うこと。だがヴァレンダールは絶望していた。 これまで仕えた二人の勇者は、魔獣を倒した直後に権力と欲望に堕ち、人々を苦しめる怪物と化した。そのためヴァレンダールは自らの手で彼らを屠らねばならなかった。それは聖剣に課せられた、もう一つの残酷な使命だったからだ。 当代の勇者候補、カレン・バーラル。見た目は黒髪黒瞳の楚々とした16歳の美少女。しかし心は歪んでいた。幼い頃から想いを寄せていた修行中の青年が、帰還後に妻と赤ん坊を得たことに激しい嫉妬を覚え、人知れずその母子を葬ろうとし、ヴァレンダールは覚悟した。 「これ以上、勇者を殺すのは耐えられない」 カレンを底なし沼へと落とし、殺害。そして自らも使命の呪いと共に沼に沈もうとしたその刹那――創造神が介入した。 カレンの死体に、新たな魂を宿したのだ。日本から召喚されたのは、九条凛香(くじょう・りんか)という16歳の少女。 大富豪の一人娘だったが、生まれつき重い心臓病を患い、ほぼ車椅子で過ごしてきた。学校にも通えず、家庭教師に学び、両親を早くに亡くし、義母と義妹に全てを奪われた末に毒殺された可哀想な子だった。 凛香は戦いの知識も、この世界の常識も何も持たない。 ヴァレンダールは決意した。 「もう誰も殺させない。私自身が勇者となって、この子を守り、育てよう」 魔力を二つに分け、片方を剣として、片方を自らの人型として維持し、ヴァレンダールは名実共に「勇者」となった。 凛香を護衛し、鍛えながら、二人で災厄級魔獣を倒す旅が始まる。だが旅が進むにつれ、ヴァレンダールは戦慄する。 お嬢様育ちの凛香が、時折とてつもない力を発揮するのだ。 ――それは、創造神が史上最強の災厄級魔人「終焉の王・響羅天華(きょうらてんか)」に対抗するために、凛香の魂に密かに仕込んだチート級スキル“禁忌の器”が目覚め始めていたからだった。 登場人物紹介 主人公 聖剣ヴァレンダール:まだ若さの鋭さを残しながら、儚げな雰囲気もまとう見た目は二十歳そこそこの青年。銀鉱を溶かして紡いだような、純度の高い銀糸の長髪は、風を受けるたびにサテンのような光沢を放ち、まるで生きている金属のように波打つ。  瞳は、真冬の夜空に輝く星のように冷たい光を宿し、その色は伝説の剣の刃に映る月光のように揺らめいている。(本文より抜粋) ヒロイン1:九条凛香(くじょう・りんか)日本の17歳の黒髪ロング巨乳少女。大きな商社グループの会長の1人娘だったが生まれた時から心臓が弱くほとんどを車椅子で過していた。学校へ行く体力もなく教育は家庭教師が行っていた。父と母を亡くしており、後妻である義母とその娘に会社を乗っ取られ、ついには毒殺された。 病弱ではあるが大変な読書家で雑学的な知識だけは普通の人よりも多い。特にライトノベルが好きでメンタル的にはパワフルなオタク。カレンの身体に入ってからは物理力が異常に発達し、杖の一振りで群がる魔獣を蹴散らせるほど。実は創造神の隠し玉だった。 ヒロイン2:カレン・バーラル 異世界17歳の黒髪ロング美少女。スキル:カリスマを使って周囲を巻き込み秘密裏に悪事を働いていたが、外面は良いので村人からはまるで聖女のように思われていた。 罪もない人を殺そうとして、ヴァレンダールに殺されかけたが、創造神によって日本の凛香の身体に魂を入れられた。 凛香として目覚めたカレンは持ち前の頭脳と豊富なスキルを使い、義母と義妹に対して反撃を開始する。

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カクヨム2026/01/04
  • 現在の作品聖剣が勇者に転職しました