あらすじ
就職氷河期世代、五十手前の冴えないサラリーマン。
特別な才能もなく、ただ日々をやり過ごすだけの人生だと思っていた「私」は、ある冬の朝、通勤電車の中でふとした疑問を抱く。
――なぜ、光は波なのだろう。
三十年前、物理の授業で習ったはずの知識。
当時は何の疑問も持たなかったその事実が、なぜか今になって引っかかる。
答えを求めて、私はチャッピー()に問いかける。
返ってくる説明は正しく、完璧で、非の打ちどころがない。
それでも、どこか納得できない。
その小さな違和感を起点に、
光とは何か、空間とは何か、時間とは何か――
考えは次第に、宇宙の成り立ちそのものへと向かっていく。
これは、特別な研究者でも英雄でもない、
一人の「普通の人間」が、
光という身近な存在から、宇宙を再定義していく物語。
日常の延長線上に生まれた思考が、
やがて「光宇宙理論」と呼ばれる一つの世界観へとつながっていく。