あらすじ
竜族の里で育った、ただ一人の人間の少年アルバ。彼は「人間である」という理由だけで家族にも、仲間にも、完全には受け入れられずにいた。
それでも、彼が望んだことはただ一つ──“家族だ”と認められること。
ある夜、白い少女の夢に導かれた彼の身に“聖痕”が刻まれる。
それは、太陽神の預言により帝国が〈救世主〉と定める証──彼にとっては、家族と認められる最後のチャンスであり、同時に故郷を旅立たなければいけない運命を意味していた。
族長「我々と人間の橋渡しをしてくれるな?」
護衛の竜「何も知らないのに。帝国と竜の間に何があったのか、何も」
母「あなたは私たちとは違う」
幼馴染「──あなたが孤独なのは、あなたが人を信じられないからよ!」
周囲の期待と疑念、そして見えない陰謀が渦巻く中、白い少女だけがささやく。
「かわいい、かわいい、かわいそうなあなたに──わたし以外の魔法はいらない」
……言う通りにすれば。
角も翼も魔法もなくたって──僕は、家族だって……
居場所を求めて家を出た少年は、流されるままに冒険へ旅立つ。
その先で、〈女帝殺し〉として世界に名を刻むことになるとも知らずに。
──懐かしい我が家を出て、流されるままに冒険しよう。その先で、人殺しになったとしても。