あらすじ

幼い頃から、けいたんは一人でテレビを見て育った。 ニュースの言葉を写し取るように覚え、読書で世界を理解し、 ビートルズの歌声から英語を身につけた少年は、 小学六年生でエレキギターを手にした瞬間、 「完成形の音」を最初から聴いてしまう。 歌えない。 けれど、誰かの歌に欠けたピースは分かる。 妹・波瑠詩音が生み出した未完成な旋律は、 けいたんの手によって自然に組み上がり、 “本来あるべき形”へと導かれていく。 自分主導でバンドを組むことはせず、 頼まれればサポートとして演奏し、 クラブではDJとして音の流れを整える。 しかし「合わせるはずの場所」で 各自が孤立して音を出すバンド練習に、 けいたんは静かな違和感を抱き続けていた。 そんなある日、 存在しないはずの楽曲を妹が口ずさむ。 それは現実とは別の世界—— 音楽が実在する並行世界 《Sound Universe》から届いた予兆だった。 歌う妹と、歌わない兄。 音楽を“鳴らす者”と“構築する者”。 才能は祝福か、それとも孤独か。 音楽は世界を救えるのか。 これは、 歌えなかった特異点が、 音楽と世界の境界に立つまでの 青春パラレルワールド・ストーリー。

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カクヨム2026/01/03
  • 現在の作品SOUND UNIVERSE:特異点は、最初から音を知っていた