あらすじ
雪が降り積もる澄んだ冬の空を紗夜(さや)は毎晩、病室から眺めていた。外の世界はどれほど素敵なものなのだろうと想像を膨らませながら。
夜中の一時。街が静まり返る中、颯真(そうま)は今日も自転車にまたがり、冷たい風に耐えながら新聞を配る。眠気と孤独に包まれた時間の中、彼の心にはある希望が灯る。
しんしんと雪が降り積もるある夜、颯真と紗夜出会った。
彼女もまた、夜の静けさの中で自分だけの世界を抱えていた。
孤独と静寂、儚さと煌めきの夜に交わる二人の物語。
欲望に翻弄され、時に虚しく、でもどこか美しい――その一瞬一瞬を描いた恋の物語。