あらすじ
あらすじ
人間の悪意や誹謗中傷が空間を歪める災害『ノイズ』が日常化した近未来。
人類に残された唯一の対抗手段は、未来の可能性が不確定な子供だけが変身できる生体兵器「魔法少女」のみ。
魔法を行使するたび、少女たちは寿命ではなく、「将来なるはずだった未来」を燃料として焼却されていく。
パティシエになる夢、愛する人との出会い、平穏な大人になる権利――それらを代償に、少女たちは今日も笑顔で戦場に立つ。
「頑張れ魔法少女!」「私たちのヒーロー!」
安全圏から送られる大人たちの無責任な声援と、SNSの「いいね」。
それらが少女たちを追い詰め、消費していく。
「こんな世界を守って死んだあいつが報われない」
残された少女たちは涙を拭い、残酷なシステムへの反逆を誓う。
これは、余命わずかな彼女たちがついた、ひと夏の嘘と命の物語。
そして訪れた、十四歳の夏。
誰よりも夏を楽しみにしていた仲間の一人が、大人たちの身勝手な判断により、祭りの夜に散った。
無機質な雑音と花火の音が交錯する中、少女たちの信じた「正義」は死に絶える。
一ノ瀬 ましろ(いちのせ ましろ)
「世の中、金が全てでしょ。正義なんてコスパ悪いこと、やってらんないっての」
十三歳。自身の背丈より巨大なガトリング砲を操る。
ダボダボの黒いパーカーを深く被り、戦闘中もスマホを手放さない現代っ子。
「金のために戦う」とうそぶく毒舌家だが、その稼ぎは全て、たった一人の家族である病気の弟へ消えていく。
雨宮 紬(あまみや つむぎ)
「いいの、私が痛いのは慣れてるから……。ねえ、私のこと、必要だって言ってくれる?」
十五歳。チームの最年長。展開式の巨大盾で敵の攻撃を一手に引き受ける。
おっとりとした性格で料理上手な、みんなのお姉さん。
しかしその内面には、「傷つくことでしか自分の価値を感じられない」という、危うい依存心が潜んでいる。