あらすじ

「大学院に合格した。学費は親頼みだけど」 黒川くんからの報告は、それだけだった。 短い。いつも通り。 由奈は「おめでとう」と返す。深く考えるまでもない、はず。 祝った。 ちゃんと祝った。 それなのに、言葉は少しだけ残ったまま。 学食の雑音。 講義の黒板。 友だちの現実的な意見。 仕送りの段ボールと、開けていない缶詰。 一日は、わりと充実していたと思う。 特別なことは起きていない。 誰かと喧嘩もしないし、何かを失ったわけでもない。 ただ、善意で言った言葉が、 相手にとっては「正しさ」になりすぎることがある。 祝福が、少しだけ重くなる瞬間。 「ちゃんとしよう」 そう思える夜に、由奈は自分の言葉を振り返る。 祝うって、なんだろう。 その問いだけが、静かに残る。

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カクヨム
カクヨム2026/01/03
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