あらすじ
美味しいだけの魔法は王妃にふさわしくない。
その一言で私の運命は決まりました。
誰かの役に立ちたいと願うほど空回りして
居場所を失った私が辿り着いたのは精霊たちが眠る深い森。
ただ静かに自分のお腹を満たすためにお菓子を焼きたかっただけなのに。
私の味覚魔法は単なる味付けではなく
世界の澱みを浄化し高位存在の命を繋ぐ唯一の糧でした。
行き倒れの精霊王を餌付けしてしまった時から私の穏やかな隠居生活は形を変えていきます。
私を追い出したはずの王太子がなりふり構わず求めているのは
権威でも富でもなく私の一枚のクッキー。
甘い香りに導かれた者たちが集うこの場所で
私はどのような未来を焼き上げていくのでしょうか。