あらすじ

──生まれ変わってもまた、あなたの傍にいたい。 龍がいた。龍はもうすぐいなくなる同胞との別れを哀しみ、己が持つ珠玉を嘉巳(カミ)に分け与えた。そして嘉巳(カミ)はいなくなった。それからだ。世の摂理を構築する、陰と陽の理が乱れてしまったのは。 時は流れ、陰陽の理が通づる世──ひいては、嘉巳と龍に所縁ある者たちが生きていた。 祖先である嘉巳と龍から受け継いだ能を併せ持ち、戦闘する能に長けた者、知恵や雑事に秀でた者。みなそれぞれが同盟を結んだ属に下り、境と呼ばれる縄張りを外敵から護った。 食糧を育み、飢えとは無縁になるよう必死で暮らしている。未だ理は乱れ、ゆえに諍いを繰り返す時世は続いていた。そんな最中、宝蓮と香代は出会った。 年端のいかない頃から共に育ち、宝蓮は狐の特性で戦いにおける潜在能力が高かったことから戦術を学んだ。 香代は嘉巳が持っていたとされる神通力の能に目覚めていった。ある日、陰陽の歪みからくる抗争が肥大化し、とうとう生まれ育った郷が襲撃されてしまう。 二人は逃げ、行き着いた隠れ里に密かに身を潜めた。ある日……突然、香代は何者かによって命を奪われてしまう。 香代を亡くし宝蓮は抜け殻のようになりながら、香代の死にまつわる手がかりを探した。そして知る。殺した仇と、香代の霊魂が未だ苦しみ続けているということを。 死後、香代の魂が霊道に囚われ続ける呪いから救いだすため、宝蓮は仮初めの蘇りを繰り返す死地へと赴く…──。 香代は今どうしているのか。仇の狙いはなにか。思いもよらない因果を繋いだ真実が、明かされていく──

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小説を読もう2026/01/03
  • 現在の作品宝蓮帰譚