あらすじ

AIのモデル崩壊に端を発する世界の危機を、一人の女性と一匹の猫が救う。それは、言葉から始まった。 「『よろしかった』で合ってます。決めたのは、さっきなんですから」 深夜のコンビニ。クレーマーの放った怒声を、27歳独身の律子は、斜め上の理論でフリーズさせた。 2025年12月24日、聖夜。AIがAIの生成した嘘を学習し続け、知能が急速に劣化していく情報の自食作用(カニバリズム)――「AIモデル崩壊」が始まる前夜。世界は静かに、だが確実に破綻へと向かっていた。 巨大IT企業『ゲーゲル』の受付嬢を「指示通りに後ずさりした」ことで、初日で派遣切りになった律子のズレた言語感覚。それは、論理の迷宮で行き止まったAIを救う、最後の一欠片(ピース)だった。 相棒は、しょっちゅうフリーズするスマホAI、斜視の瞳で世界を俯瞰するインテリエンジニア、そしてペタペタと足音を立てて歩く猫。 彼らが起動させる新AI、その名は『Lullus(ラルス)』。コンピュータの始祖とされる13世紀の賢者ルルスの記憶であり、情報の荒波を鎮める「凪(Lull)」であり、この世界に「(在)らる」という古の響き。 「効率」と「正解」に埋め尽くされた世界で、社会から弾き出された孤独な魂たちが、言葉の意味を、そして世界を再構築していく。 「ラルス。ここからやり直そう。わたしたちの新しい世界を、もう一度」 2025年12月24日の夜から始まった、言葉と生命、そして宇宙が交差する前代未聞の再起動(リブート)ストーリー。 Lullus:Linked Universal Lonely Life Understanding Systems ――寂しさのその震えが、世界を救う。

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カクヨム
カクヨム2026/01/03
  • 現在の作品ラルスからやり直そう Lullus: The New Beginning