あらすじ
街を守る結界――
それは魔法戦士たちの活躍の裏で、誰にも注目されず支えられてきた「インフラ」だった。
結界の点検・調整・保守を一手に担っていた主人公は、
派手な戦闘魔法が使えないという理由だけで「戦えない無能」と断じられ、
長年尽くしてきたギルドから一方的に追放される。
だが彼だけが知っていた。
結界はただ魔力を流せば動く装置ではないことを。
負荷、配列、歪み、個体差――
わずかなズレの積み重ねが、街も国家も簡単に崩壊させるという“仕様”を。
追放後、主人公は小さな街で結界の再調整を任される。
魔力量を増やすことも、新しい魔法を使うこともない。
ただ、正しく直すだけ。
その結果、結界は異常なほど安定し、
世界のあちこちで「ありえない防衛効率」が観測され始める。
一方、主人公を切り捨てた側では、原因不明の結界トラブルが続発。
誰もが気づいていなかった――
結界を“理解していた人間”を失った代償の大きさに。
これは、戦えない技術者が
仕様理解と最適化だけで、
街と国家の前提条件そのものを塗り替えていく物語。