あらすじ
幼馴染たちが次々と「剣聖」「大魔導士」などの英雄ジョブに覚醒する中、
リーダー格だった俺・レイが得たジョブは――【一般人】だった。
魔力ゼロ。身体能力は並以下。
与えられたスキルは、たった一つ。【一般常識】。
当然、パーティを抜けようとした。
だが、最強のはずの仲間たちは致命的にポンコツだった。
「力の加減ができなくて街を消し飛ばす」
「戦闘に夢中で飯を忘れて餓死しかける」
――この災害級の英雄たちを止められるのは、
“常識的なツッコミ”を入れられる俺だけだった。
だが、やがて気づく。
俺の【一般常識】は、ただのツッコミではない。
世界が「例外」として見逃してきた不条理を否定し、
戦える条件そのものを成立させる力だった。
「殴れば痛い。それが生き物の常識だ」
――幽霊は、殴れる存在になる。
「生物が火を吐く? そんな臓器あるわけない」
――ドラゴンの炎は、喉の奥で止まった。
俺は強くならない。
回復もしない。
ただ、“前提”を壊すだけだ。
それでも、鉄パイプを握って前に立つ。
これは、
最弱の一般人が「理屈」だけで
正しい世界に割り込んでいく、異物の物語。