あらすじ
【登場人物】
▼走馬灯探偵…御鈴木(みすずき)涼綺(すずき)
19歳の探偵。推理に必要な情報を集めるため、走馬灯を振り返る。
▼ヤブ医者(仮)
涼綺とは腐れ縁。彼女に走馬灯を見せる役割を担う。蘇生は彼の役目。
▼絶対悪…笑谷(えみや)数珠理(じゅずり)
いつでもどこでも殺人犯。捕まっても野に放たれる。涼綺のライバル。
「がば、ごぼぼぼぼ――――」
白衣を着た長髪の男が、まだ十代の少女を――その頭を掴んで青いバケツに押し込んでいた。
外から見た絵面は虐待なのだが、これは少女自身が望んだことである。
走馬灯を見たいです、と彼女は言ったのだ。
周りにいた大人たちはぽかんとしたものの、彼女に同伴していた男はいつものことのように「ああ、分かった」と頷き、バケツを準備させた。
水をたっぷりと入れて――次の瞬間には、彼が少女の頭を鷲掴みにして、ばしゃ! と水の中に突っ込んだのだ。
「あー、大丈夫っすよ、俺が医者だってことは説明したはずっすよね? 人の蘇生の仕方なんて熟知してるんすよ。これだって専門家の許可を取ってやってる……つまり、俺の判断だ」