あらすじ

夜のはじまりを告げるネオンの輝きを避けるように、私は街中を早足で歩いていた。繁華街を抜け、街角を曲がり、薄暗い路地に入る。  すぐに目に飛び込んできたのは、石造りの洋館だった。薄汚れたコンクリートの雑居ビルが並ぶ裏通りの中で、柱と彫刻で過剰に装飾された左右対称の館だけが、十七世紀の遺物のようだ。  私は店先で立ち止まり、頭上にある一枚板の看板を凝視した。瞬きのたびに、『Gastronomie LAGUNE』の文字配列が不規則に変わって見える。

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カクヨム
カクヨム2026/01/03
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