あらすじ

どうして自分には声がないのだろう。  どうしたら声が手に入るのだろう。  それさえあれば、こんなに苦しむこともなかった。大切な人に思いを伝えることだってできた。嫌なことを嫌だと言えた。苦しいときに苦しいと言えた。  町の人が避けることもなかった。  同年代の子たちに嫌がらせを受けることもなかった。  嫌がらせをする人間は嫌いだ。  笑って傷をつける人間も嫌いだ。  嫌な思い出ばかりの雨も嫌いだ。  体の芯から震わせるような大きな音も嫌いだ。  声を持たずに生まれてきた出来損ないな自分も、大嫌いだ。  いつからだっただろうか。  こんな自分自身のことが好きになったのは。  外に出るのが楽しみになったのは。  エルセは今日も、晴天の空を見上げる。

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エブリスタ
エブリスタ2015/06/12
  • 現在の作品空を仰げば