あらすじ
「地味な顔にぴったりの、呪われた辺境へ行ってらっしゃい!」
伯爵家の厨房に閉じ込められ、料理研究家だった知識を妹に盗まれ続けてきた令嬢エイラナ。
わがままな妹のニーナが嫌がった氷の公爵への身代わり婚を命じられ、ゴミ扱いされていた鰹節と昆布だけを持って実家を叩き出される。
が、 馬車の中でガッツポーズを決めていた。
(ブラックな厨房から解放された! これからは自分のために料理できる)
たどり着いたのは雪深いホワイトワルド領。待っていたのは、過労で目の下にクマを作った公爵。
「食事などいらん。放っておいてくれ」冷たく言い放つ彼だったが、丁寧に引いた黄金の出汁の香りに鼻がピクピクと動き出し?
「なんだこの旨味は。五臓六腑に染み渡る」
さらさらと流し込む絶品茶漬けに口の中でとろけるふわとろオムレツ。
呪いの石(ジャガイモ)は禁断のフレンチフライに、ミルクと卵は至高のプリンに。
胃袋を掴まれた氷の処刑卿は、いつの間にかエイラナの料理なしでは生きられない大型ワンコ系溺愛旦那様に変貌していた。
一方、実家では「味がしない」「炭しか出てこない」と食卓が地獄絵図に。今さら「戻ってきてくれ」と泣きついたって遅い。