あらすじ
「なあ、和真。一つ聞いていいか?」
不意にかけられた声。俺の隣で試合を観戦していた渡辺仁志だ。
「何?」
「素朴な疑問なんだけどさ、なんで、高木なわけ?」
「…は?」
「いや、お前モテるだろ?なのに、なんで高木なんかを彼女にしたのかなって。お前、2組の北川さんにも告られてたのに。あんなきれいで優しい人振って、なんで高木なの?」
仁志の言葉に、俺は文句を言おうとしてすぐにやめた。
「なんでだろうな?」
そう笑う俺に、仁志は不思議そうな顔を浮かべている。けれど俺はそれ以上言わず、またコートに視線を戻した。わざわざあいつの良さを人に知らせる必要などない。