あらすじ
私の魔法は泥遊びだと笑われていた。
実家の屋敷を綺麗に直しても誰にも気づかれず、役立たずと罵られて家を追い出される。
けれど私には、誰にも負けない特技があった。
それは土を捏ねて、自分が一番心地よいと思う理想の家を作り上げること。
不毛の荒野にたった一人。
誰にも邪魔されず、可愛い家具とふかふかのベッドに囲まれた生活を始める。
そんなある日、庭に行き倒れの男が迷い込んでくる。
彼は国で一番偉い魔法使いで、呪いのせいで何年も眠れていないという。
私の作った家でだけ、彼は泥のように眠ることができた。
ただの家づくりが、いつしか国の運命を左右する力に変わっていく。
安眠を求める公爵様と、作る喜びに目覚めた建築士。
二人が育むのは、世界で一番温かい恋と、空をも飛ぶマイホーム。
地味な魔法が奇跡を起こすとき、捨てられた少女は何を手に入れるのか。