あらすじ

二乃宮町の駅前には、奇妙な「名所」がある。 毎日午後五時四十五分。駅前のビルから一人の女が飛び降りるのだ。 地面に激突する寸前でかき消えるその姿は、今や絶好のシャッターチャンスとしてSNSを賑わせていた。 「いいな、あんなにみんなに見てもらえて」 クラスの集合写真でさえ自分の存在を忘れられる「背景」のような少女・陽葵は、その幽霊に狂おしいほどの嫉妬を抱く。 彼女が欲しかったのは、幽霊の正体ではない。世界中から注がれる、熱い視線だ。 港の花火大会の夜。 誰も見たことのない「最高の画」を撮るために、陽葵はカメラを手に屋上の縁へと向かう。 それが、彼女が「透明人間」を卒業する、最初で最後の夜になるとも知らずに――。

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小説を読もう2026/01/02
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