あらすじ
「いらっしゃい。ここは街道の交差点、世界で一番『余計なもの』が集まる酒場よ」
看板娘のリーナには、不思議なものが見える。
行き交う人々の上に浮かぶ、レベル、スキル、そしてその人を形作る『称号』。
鑑定眼(スキル)を持つ彼女の目から見れば、この街は退屈とは無縁だ。
攻撃力より「逃げ足」に特化した新米冒険者。
伝説の武器より「胃薬」を手放せない運び屋。
英雄になれなかった、けれど今日を必死に生きる「名もなき主役たち」。
彼らが何気なく吐いた嘘や、偶然落としたコイン、ほんの少しの勇気。
それは本人さえ気づかないうちに、リレーのバトンのように見知らぬ誰かの運命を繋いでいく。
「さあ、今日の手帳をめくりましょうか。
最初のお話は――そうね、自分の命を守るために『とんでもない大嘘』をバラ撒いた、あの子の物語から」
――君が撒いたデタラメは、次に誰を救うだろう?
昨日のモブは、今日の主人公。
交差点の酒場「双子ツバメ亭」から始まる、連鎖する群像ファンタジー。