あらすじ

天体観測を趣味とする御岳奈緒は、 ある夏の深夜、防災行政無線から流れる“本来は正午に鳴るはずの音楽”を耳にする。 違和感を覚え外に出た彼女の前には、 虚ろな表情のまま、無言で同じ方向へ歩き続ける人々の群れが広がっていた。 話しかけても反応はなく、 その異様な行進の裏では、人の形を部分的に保った“異形”が街を徘徊している。 奈緒は好奇心と恐怖の間で葛藤しながら、 襲われないために人々の群れに紛れ込み、その行き先を追う。 たどり着いたのは、山中の神社。 集められた人々、跋扈する異形、空を染めるマゼンタ色の光。 逃げ場を失った奈緒は、 “振り向いてはいけないもの”を見てしまう。 翌夜、再び防災行政無線が鳴る。 少年の目に映ったのは、 虚ろな表情で歩く人々の中に混じる、 人ではなくなったはずの存在だった。 これは、 誰にも説明されないまま日常が侵食されていく、 静かで残酷な現代怪談。

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カクヨム
カクヨム2026/01/02
  • 現在の作品『防災行政無線』